まぎらわしい「弱酸性石けん」という名前、一体なに?
2017/06/13
そもそも石けんとは何かしら?
石けんは、油脂とアルカリが反応してできるもので、脂肪酸とカセイソーダでつくられているのよ。材料となる脂肪酸は弱酸性だけど、石けんは弱アルカリ性で、phは10くらいなの。これをしっかり覚えておいてね。つまり、石けんが酸性になることはないということよ。
そこで、最近の「弱酸性石けん」という商品が、「おかしいじゃない?」と気付くはずよね。そう、弱酸性なのに石けんなんて、あり得ないの。
市販されている「弱酸性石けん」というのは、陰イオン系の合成界面活性剤であって、石けんではないのよ。ここでいう石けんとは、洗浄剤っていう意味で使われているだけで、厳密な意味での石けんじゃないってこと。ネーミングにだまされないように、注意しましょうね。
じゃあ、どうしてやたらと弱酸性を強調するのかしら?本当に肌にやさしくていいものなのかしら?
人間の皮膚は、確かに弱酸性なの。だから皮膚と同じ弱酸性で洗えば刺激が少なくて皮膚にやさしいっていうのね。これって、本当かしら?
そこで、大阪大学や九州大学などの8つの大学の医学部が調べたそうなのよ。よく聞く「パッチテスト」っていうもので、48時間ひじの裏側に液体を塗って、アレルギー反応をみるテストをしたのね。それによると、皮膚刺激指数はなんと「危険品」とされたのよ。危険って!全然皮膚にやさしくないじゃない!
石けんという名前をつけて、頭に弱酸性とつけることで、あたかも皮膚にやさしいってネーミングは、実はただのイメージだけだったのね。
そういえば温泉もたいていはアルカリ泉だし、家庭用入浴剤としてよく使われてる重曹もアルカリ性よね。アルカリ性は肌にほどよい刺激を与えてくれて、皮膚病の改善や健康増進にも役立つのよ。石けんはアルカリ性だから、お風呂では石けんを使うと、お肌にほどよい感じの刺激を与えることができるのね。
湯上がりに汗をかくから、肌は自分でちゃんと弱酸性に戻るの。わざわざ高価なボディシャンプーを使わなくても、本物の石けんで十分ってワケよね!
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