下水処理場でなら、合成洗剤は分解されるの？
2017/07/15
石けんは自然界で分解されて魚のエサなんかになることがわかったけれど、合成洗剤は自然界では分解されず、生物の命を脅かしたりするのよね。
じゃあ、下水処理場でなら、合成洗剤はちゃんと分解されるのかしら？
下水処理場では、１次処理といってまず大きなゴミや浮遊物を取り除いて、２次処理に進むの。この２次処理で行われるのが「活性汚泥法」という方法なのよ。
家庭や工場などから出た排水の中に、空気を吹き込んである特定の微生物を繁殖させるの。その微生物はから分泌される物質は、お互いをくっつけ合う力があって、そのうちに塊ができるのね。この塊の中の微生物たちが、排水の中の有機物を分解してくれるのよ。
そして汚染物質を吸着して底に溜めてくれるから、水の上澄みが透明になっていくんですって。すごいわね！
ところが、合成洗剤を含んでいるこの家庭雑排水は、この方法でも完全には分解されていないらしいのよ。それなのにそのまま放流されるから、川や海底のヘドロは合成洗剤の物質でいっぱいなの。
その証拠に、東京湾の海底からは「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」などの有害物質がたくさん検出されているのよ。下水処理してるから大丈夫でしょ、という考えは、大間違いってことになるわね。
じゃあ、石けんはどうなのかしら？
静岡県三島市のある団地で、合成洗剤から石けんに8ヶ月間切り替えたところ、次のような報告があったそうよ。
①石けん使用時、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、陰イオン界面活性剤、リン酸の濃度が著しく減少し、27〜78％の処理能力向上が認められた。
②その他の項目においてもすべて処理能力は向上し、排出水の化繊に及ぼす影響が大幅に改善された。
すごいわよね！石けんの環境へのやさしさはもちろんのこと、地域で取り組むことで、余計に効果が上がったんだと思うわ！
ひとり一人、各家庭が意識的に合成洗剤を使わなくなれば、きっと地球は美しい姿を取り戻すんじゃないかしら！
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