界面活性剤の高級アルコール系って、何が高級なの?
2017/06/09
成分表をよく見ていたら、たまに「高級アルコール系」って名前を見かけるわね。どうやら界面活性剤みたいだけど、「高級」なんだから安全よね!って、思ってない?
実は、いわゆる「高級品」の「高級」とは似ても似つかないものなのよ!人の安心感を利用して、いいように聞こえるように表示してるだけなの!
1962年に「家庭用品品質表示法」という法律ができて、洗濯用や台所用洗剤の品名や用途、液性や成分を必ず表示しなくてはいけなくなったの。それを見れば、誰でも石けんなのか合成洗剤なのか、またどんなものが使われているかもわかるってワケよね。
ところが、合成洗剤が大量生産されるようになって、界面活性剤の種類もものすごく増えたのね。昔はいちいち、長たらしい名前を書いていたけど、そのうち、同じ系列で成分が複数ある界面活性剤の場合には、○○系っていう名前で表示してもいいってことになったわけ。
例えば「ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」と「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」を、一括して「高級アルコール系」って書いてるってことね。これ、かなり有害性の高い合成界面活性剤なのにね。いかにも高級な原料を使ってますって感じの表現よね。
この「高級」っていうのは、炭素数の数を表しているだけなんですって。つまり、化学用語では炭素数が1〜5個だと「低級」、炭素数が6個以上だと「高級アルコール」と言うのね。そのことを逆手にとった、消費者の誤解をまねきやすい表示ってことね。
決して、原料に「高級品」を使ってるわけじゃないから、勘違いしないように注意してね!
それにね、高級アルコールは主に石油からできてるんだけど、ヤシ油なんかの油脂からも作ることができるの。このことを「石油系界面活性剤は使用しておりません」とか、「ヤシ油の洗剤」とか、「植物由来」なんて宣伝してることもあるのよ!
こういう、“ウソは言ってないけど、ホントのことを勘違いさせている”宣伝文句には本当に気をつけましょうね!
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