皮膚が免疫の司令塔!バリア機能が攻撃されたらどうなる?
2017/02/28
肝臓や腎臓などの臓器移植の時、血液型だけでなく、もっと詳しい検査をして、一致しないと移植できないわよね。
ドラマなんかでよく見るけど、結局あれって何なの?と思うでしょう?人間の身体って、本当によくできていて、自分と他人を見分けることができるのよ。だから、自分の身体が「他人だ」と判断したものは攻撃するのね。
それが、いわゆる免疫と呼ばれているの。
つまり、せっかく移植した臓器を「他人が入ってきた!」と判断されては、それを追いだそうという免疫が働いてしまう訳ね。
難しいことはさておき、免疫については「自分のものではない物を見分ける」と覚えておくといいわ。
そして、今回は、皮膚にこの免疫という働きがあるというお話。
皮膚にはプラスチック並みの強いバリア機能があって、外の異物を体内に入れなかったり、中のものを外に出さなかったりという役割を果たしているの。でも、なにかのはずみでそのバリアが外れて異物が入ってきたら、どうする?
そんな時、よそ者を発見して、全身の免疫系に通報するのが、皮膚にあるのよ!すごいわよね。
皮膚にあって、四方八方に網をめぐらせている警報器は、侵入者を見つけると手配写真をつくって、リンパ管を通って全身に「こんなヤツが入ってきたぞ」と通報して回るの。すると、侵入者を見つけたらただちに殺してしまう細胞や、侵入者を取り囲んでしまうタンパク質をどんどん作るんですって。その結果、侵入者は徹底的に追い出されてしまうのね。
皮膚のバリアが壊されると、炎症を起こすための「サイトカイン」というのを作り始めるの。ある種のサイトカインは、バリアがダメージを受けた瞬間に放出されるというから凄いわよね。
表皮のバリア機能がずっとダメージを受け続けると、このサイトカインも放出し続けるんですって。これは、環境の湿度が下がったり、紫外線や化学物質による刺激でも起こるらしいわ。それに、皮膚の病気やアトピー性皮膚炎なんかも同じね。
アトピー性皮膚炎では、この時表皮に入っている末梢神経の数が増えているなんて報告もあって、だから抗ヒスタミン剤があまり効かないんじゃないかという考えもあるみたい。つまり、皮膚が敏感すぎるってわけね。
サイトカインは免疫系のシステムにも働くことがわかっていて、間接的には中枢神経系にも影響があるんですって。つまり、皮膚の表面に起こることは、身体全体の健康に影響する可能性があるってことね。皮膚を大切にしないといけないわね。
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