O-157で知られた「逆性石けん」ってなに?
2017/05/24
O-157が世間を騒がせてから、「逆性石けん」ってよく聞くようになったわね。食べ物についていたO-157が、手や調理するまな板について、キレイだった食べ物まで汚染するからなの。
それはわかるけど、じゃあ「逆性石けん」ってなんなの?
結論から言うと、
「石けんと逆の性質を持つ洗浄剤」
ってことなの。石けんと逆の性質ってどういうことなの?って、もっとわからなくなるわね。
界面活性剤には
・陰イオン系
・陽イオン系
・両イオン系
・非イオン系
の4つがあって、水の中で界面活性剤の「親水基」っていうものがどんなふうに離れたりくっつりたりするかで分類されてるの。
石けんは、水に溶かすと陰イオンになるんだけど、陽イオンになって働く界面活性剤のことを「逆性石けん」というのよ。
陽イオン界面活性剤には、「塩化ベンザルコニウム」や「塩化アルキルトリメチルアンモニウム」とかが使われていて、両方とも界面活性剤なんだけど、薬事法では両方ともアレルギー作用があるってことで、医薬部外品の表示指定がされてるのよ。
難しい話になってきちゃったけど、要するに、石けんって書いてあっても本当の石けんじゃないってこと。アレルギーを起こす可能性があるものが使われてるってわけね。
肝心な「逆性石けん」の洗浄力なんだけど、実はあんまりないっていうから驚きよね!塩素を使ってるから、殺菌力はあるけど、洗浄力がないってどういうこと?
汚れが落ちないだけじゃなくて、10秒や20秒じゃ殺菌もできないらしいわ。これじゃ、逆性石けんを使う意味があるのかしら?
しかも、逆性石けんをみんなで使うと大量になって川に流れ込むわよね。その頃になってやって殺菌力を発揮しちゃうんですって。すると、水の中の微生物を殺しちゃうの。微生物は排水の中の物質を分解してくれて自然に戻してくれてるの。
いわゆる、自然の浄化装置ね。それを、逆性石けんをたくさん使うことで殺しちゃうと、水が浄化されないばかりか、他の水中生物も生きていけなくなるわね。
もちろん、魚が汚染されたら、それを食べるわたしたちにも少なからず影響があるはずよ。
日用品を選ぶ時は、自然に与えてしまう影響まで考えてから選びたいわね!
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