粉石けんって、水に溶けると白く濁るけど大丈夫なの?
2017/07/10
合成界面活性剤を使わないようにと、台所用の粉石けんを使ってるけど、水道水に溶けると白く濁って不安になる人がいるみたい。これって、どういうことなのかしら?
水道や川の水にはカルシウムとかマグネシウムといった、ミネラル分が含まれているわよね。この成分が石けんと結びつくことで、「カルシウム石けん」や「マグネシウム石けん」というものに変化して、水に溶けない粒子になるの。だから、白く濁って見えるのね。その証拠に、ミネラル分を含まない蒸留水に石けんを溶かすと、白く濁ることなく、透明のままなのよ。
水によってカルシウムの量が違うから、白く濁る度合いも違ってくるらしいわよ。カルシウムが多いほど白く濁るみたいね。
つまり、水質が「軟水」か「硬水」かで違いが出る訳ね。日本の水はほとんどが「軟水」だから、石けんを使った洗濯に向いているのよ。ちなみに、海水は完全な「硬水」だから、石けんはなかなか泡が立たないのね。
三重県の鳥羽市である実験が行われたのよ。それは、海水1トン中に石けんと合成洗剤をそれぞれ100gずつ加えて、その中にナマコとか牡蠣を入れたの。
そしたら、粉石けんを入れた方は白く濁ったけど、1週間後には海水が透明になったというの。
一方、合成洗剤を入れた方は泡だらけになって、翌日にはナマコや牡蠣は全滅したそうなのよ!粉石けんの方は、もちろん生き物は死ななかったわ。
これは、海水中のカルシウムやマグネシウムと石けんが結びついて、ナマコや牡蠣のエサになったと考えられるそうよ。そう推測される理由は、ナマコや牡蠣の体重が60gも増えていたんですって!
つまり、粉石けんは海の生物たちのエサになったということなのね。
それに対して合成洗剤は、少しの量でも界面活性作用が残ってしまって、環境を汚染するってことがわかったのよ。
実はこのカルシウム石けん、オゾン層破壊の原因とも言われた「ウシのゲップ」を減らすことにも一役買っているんですって。
ウシの飼料に使われていて、カルシウム分の多い牛乳が出るだけでなく、ゲップ(メタンガス)の排出を抑えて地球温暖化の防止に効果があるとされているのよ。
環境のことを考えるなら、石けんに軍配があがるのは間違いなさそうね。
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